淡水化



写真は、100立方メートル/日の淡水/浄水化能力を備えたプラントの完成予想模型です。
このプラントは、10ユニットのペガサス浄水化システムで構成されています。




質問:
『マグネシウム文明論』には、太陽熱を利用するペガサス浄水システムは逆浸透膜法などの従来方式に比べて装置コスト、運用コストが低いと書かれていました。
しかし、実際の淡水化プラントはかなりの規模になるはずです。小さな装置で性能を出せても、大規模なプラントでは装置も大型化してまったく違う構造になるでしょうし、想定した性能が出せるとは限らないのではないでしょうか?
回答:



アラブ諸国では潤沢なオイルマネーを利用して、すでに多数の海水淡水化プラントが稼働しています。多く用いられるのは、火力発電所などから排出される高温蒸気で海水を蒸発させて淡水を作る多段フラッシュ法です。発電所などがない地域では、海水に圧力を加え、膜(逆浸透膜)を使って塩分などを漉過する逆浸透法が普及し始めました。
ただ多段フラッシュ法は立地に制限があり、逆浸透法では海水に圧力を加えるのにかなりの電力が必要です。
私たちは多段フラッシュ法のような熱源や逆浸透法のような電力も必要としない、新しい海水淡水化技術を開発しました。詳しい仕組みは特許に関係するため、ここでは紹介できませんが、新技術は小規模の淡水化プラントでも効率がよいので、砂漠に運河を掘って海水を導き、運河沿いの各地に淡水化プラントを配置して淡水を生産、作物を栽培するといったシステムが実現できます。



マグネシウムのリサイクルはできるとして、マグネシウムそのものはどうやって調達すればよいのでしょう? エネルギー通貨として流通するほどの量を現在と同じようにドロマイトなどの鉱石を採掘して調達しようとすれば、採掘だけでも膨大なエネルギーとコストがかかります。
私たちは海からマグネシウムを生み出す計画を練っています。海には1800兆トンというマグネシウムがイオンの形で含まれています。海水を濃縮すれば塩化マグネシウム(にがり)が得られることはご承知でしょう。つまり海水を濃縮してマグネシウム化合物を取り出し、これに太陽光励起レーザーを照射して、純粋なマグネシウムを生産するというわけです。
海水中の塩化マグネシウムは含水性塩化マグネシウムと呼ばれ、水が結合しています。加熱すると水が除去され、酸化マグネシウムになります。あとは、リサイクルのプロセスと基本的に同じです。酸化マグネシウムと同時に得られる塩酸は、液体なので扱いは難しくありません。
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