Greentech Mediaによれば、米国エネルギー省の団体”ARPA-E”は、1億600万ドルを新エネルギーベンチャーに投資すると発表したとのこと。
The Department of Energy announced $106M today in funding for 37 experimental projects that could radically change the ways that we think of “alternative energy.”
この中には、安価なマグネシウムイオン二次電池を開発している、Pellion Technologies, Inc.が含まれています。
Pellion Technologies, Inc. – $3.2M – the project will develop an inexpensive, rechargeable magnesium-ion battery for electric and hybrid-electric vehicle applications. Computational methods and accelerated chemical synthesis will be used to develop new materials and chemistries.
WIRED VISIONの「次世代電池レースで脚光を浴び始めた「マグネシウム電池」」では、株式会社TSCとSAITECが開発しているマグネシウム電池を紹介しています。
開発されているのは、一次電池である「マグネシウム空気電池」と「マグネシウム水電池」、それに二次電池の「マグネシウム金属電池」です。
NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の発表(2009年11月24日付け)によれば、埼玉県産業技術総合センター(SAITEC)はマグネシウムイオン二次電池の正極材料を開発したとのこと。
以下、プレスリリースからの引用です。
「マグネシウムは火力発電所の燃料として使える」では、マグネシウムと水を反応させ、生じた熱で水素を燃やせることを紹介しました。発生する高温高圧の水蒸気によって、タービンを回して動力を取り出すことが可能です。
下の動画は、2006年に東京工業大学で行われたマグネシウム燃焼エンジンの実験風景を撮影したものです。
2mm程度の小さな粒にしたマグネシウムを水と混ぜると、泥のような燃料になり、連続的に投入して燃焼させることができます。
マグネシウム(から発生する水素)を直接燃焼させることもできます。マグネシウムと水との反応では、熱も発生します。この熱をうまく使えば、反応で発生した水素を燃やすことが出来、高温高圧の水蒸気が発生します。タービンを回して動力を取り出したり、充電に利用できるわけです。
この場合、マグネシウム1kg当たりの発熱量は水素燃焼分を含めると25MJ(メガジュール)。これに対して石炭は30MJとマグネシウムより少し高いのですが、石炭は一度燃やしたらそれで終わりです。燃えがらの処分にも手間が掛かり、燃焼によって膨大な二酸化炭素が排出されます。
一方、マグネシウムが燃えて(酸素と反応して)できた酸化マグネシウムはリサイクルしてマグネシウムに戻せます。燃焼でできるのは酸化マグネシウムと水(水素の燃焼による)だけで、二酸化炭素は排出しません。現在稼働している石炭火力発電所で石炭の代わりにマグネシウムを燃やす時代が来るかもしれません。

eVionyxが開発した亜鉛燃料電池車
現在、亜鉛やアルミニウム、鉄、そしてリチウムなどの金属空気電池が開発されています。金属空気電池とは、金属と空気中の酸素の酸化作用を利用した電池です。通常の電池は、負極と正極それぞれに活物質が必要とされますが、金属空気電池の正極活物質は空気です。そして、負極活物質の金属を燃料として入れ換えられるようにすれば、金属空気電池が燃料電池になるわけです。
普通車の水素燃料電池車が500km走るためには水素6kgが必要とされますが、同じことをマグネシウム燃料電池車で実現するには70kgのマグネシウムがあればよいことになります。実用化の暁には、マグネシウムの燃料パックをカセットのように燃料電池の発電機構に装填する方式になると考えられます。今の自動車がスタンドで給油する感覚で、燃料パックを交換するわけです。
2003年、金属燃料電池の研究ベンチャー、米eVionyx社(ニューヨーク州、ホーソン)は普通乗用車を改造した実験車を開発し、亜鉛燃料電池で600kmの連続走行に成功しています。また、燃料パックを100回以上交換して走らせても問題がないことを実証しました。
この実験データを元にした亜鉛燃料電池の効率は、1kg当たり500W時。仮にマグネシウムに当てはめると、1kg当たり1500W時と、リチウムイオン電池(定常的には200W時)をはるかにしのぐ効率を期待できます。
マグネシウムは軽くて強い金属です。密度は鉄の1/4、アルミニウムの2/3で、高い熱伝導性を備えています。
マグネシウムにはもう1つ大きな特長があります。それは反応性が非常に高いこと。火を付ければ激しく燃えるのです。激しく燃えるという点ではマグネシウムは水素に引けを取りません。
同一容量の重量比較では、マグネシウムは水素より重くなります。しかし、水素は丈夫なタンクが必要で、何らかの事故があればタンクから漏れる不安があります。
一方、固体のマグネシウムは650℃以下では発火しませんから、常温で保存でき、10年以上の貯蔵が可能です。だから、必要なだけ倉庫に積み上げておくことができます。
水素はそうはいきません。貯蔵量に見合ったタンクが必要です。仮に100万kWクラスの発電所が1日に生み出すエネルギーを1気圧の水素で蓄えたとしたら、1km×1km×10mの巨大なタンクが必要ですが、マグネシウムなら15m×15m×10mで収まります。




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