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質問:
太陽光励起レーザーを発振する媒質には、クロム、ネオジム、イットリウムといったレアメタルが使われているそうですね。これらのレアメタルを巡って世界中で激しい争奪戦が繰り広げられていますが、レーザー発生装置を大量に作れるほど、資源は十分にあるのでしょうか?

回答:
1本のYAGレーザー媒質は直径1cm以下で長さは10cm程度です。これで1kWの出力を予定しています。
YAGの比重は4.5ですので、35gの重さです。YAGは、Y₃Al₅O₁₂の成分を持っていますので、イットリウムの重量割合は45%。従って1kW出力のレーザー1本当たりに必要なイットリウムの量は16gです。
『マグネシウム文明論』に書いたように、全世界のエネルギーをまかなうために100万kWのレーザーが2000基必要だとすると、イットリウムの総量は3万トンとなります。イットリウムの推定埋蔵量は54万トンですので、一応は大丈夫です(ちなみに英語版Wikipediaの”Yttrium”の項目には、酸化イットリウムの推定埋蔵量が900万トンという記述もあります)。レーザーは焼き固めて作っていますので、古くなってももう一度焼くことで再生されるでしょう。これは今後の課題です。
他の物質、ネオジムはYAG全体の1%、クロムは多くても0.3%しか入っていませんので、必要量はネオジム300トン、クロム90トンです。これで、問題ないことは明らかでしょう。
レーザー法の長所の1つは、太陽を集光して小さい媒質に照射する点にあります。そのために、必要な媒質が非常に少なくてよいことも特徴です。
(矢部孝)

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